2012年10月1日月曜日

The BirthdayツアーVISION@清水SOUND SHOWER arc.ライブレポート

バユウスケが食べ物だったら、どんな感じなんだろう。

あんまり肉料理っぽくはなく、ましてや魚料理でも、カフェで食わされるウサギのエサみたいな(cf.よしながふみ)ヘルシーなサラダでもない。「俺はロマンチスト。」って自分で言うぐらいだから、たぶん甘いもの、それも洋菓子で、ショートケーキ(クリームたっぷりに大ぶりのいちごがのっているスタンダードなもの)か、マカロン(着色料をふんだんに使ったカラフル。かつ、ちょい堅くて食べづらいもの)あたりが妥当なのかもしれません。そういえばピエール・エルメのマカロンを初めて食べたときはもうぶっ飛んだなあ、甘くてちょっと歯ごたえがあっていい匂いがして、あまつさえ可愛い。という四重苦。日本人以外にもあんな小さいものに、しかも食べ物に、あれだけの愛とフェティシズムを注げる人間がいるなんて、なんて官能。



 だいたいチバユウスケの書く詞って美味しそうな食べ物が出てこない(たぶん、彼はジブリを観ないんじゃないかと思います。一番好きな映画がゴッド・ファーザーじゃあね、ポニョは観ても怯えしかないな(笑))。たとえばアルバム「VISION」では、タンポポを食べて苦いと言うし、"彼女"はアイスクリーム食べかけで寝ちゃうし、チョコレートはキスの道具でしかありません。

 そういえば椎名林檎も食べ物に執着のない歌詞を書く人でした。彼女にとってかなりハッピーになってきたはずの東京事変でさえそうで、その"拒食症"はますます加速の一途をたどっていきました。ミュージックビデオもその症状に同調し、「新しい文明開化」では刄田綴色がジュースを吹くシーン、「空が鳴っている」でも美味しそうなブレックファストのうえに思いきり牛乳をこぼして放り出すシーンが使われています。

 いっぽうで、浅井健一なんかは「メロンソーダとチリドッグ」から始まる曲もあったりして、とっても美味しそうな食べ物を多く書いてくるので、ロック全体が拒食症というわけではなく、やっぱりこれは名古屋が食の街だからなのか、でも福岡だってうっまいものたくさんあるじゃんねえ。まあ、神奈川は…(笑)、ないね(笑)。だから食べ物への愛情というものは、個人の欲の資質によるところが大きいのでしょう。



 という話をはじめたのも、先日観たThe Birthdayのライブの熱量・カロリーがものすごく、演者はいったいどういうものを食べてここに立ってこんな演奏をしているんだろう、と思ったからなのです。いや、酒でしょ。ってそりゃあそうだろうけれど(笑)、それはロックだからドラッグみたいなものだろうし、いまやただの水分補給になっている可能性すらあるわけで、あんまり空想の余地がありません。

 かくいう自分も、その日は缶チューハイ(なんだか異常に甘かった。商品名は忘れてしまったのですが、あれは…子どもが飲んじゃうよ。ポテトチップスといっしょに。)とオレンジゼリーを半分食べただけで会場にいました。

清水は空が高くて広い。
あと人が少ない(笑)。
水SOUND SHOWER arc。静岡県は清水駅から徒歩で15分、20分くらい。会場にたどり着くまでにいろいろあったのだけれど、それはまたの機会にするとして、ミラーボールの沈黙するステージは思ったよりも狭く、そして近く、フジイさん側にいたわたしは鈍く光る黒いレスポールの傷までもがわかることに、開演前なのにも関わらず、すでに参りかけていました。

 始まったら、どれだけ近くで見ることになるのだろう、そんな期待とともに19時をわずかに過ぎたころ、メンバーが登場。フジイさんの髪と、その白いシャツがライトに照らされて発光する様子は、こんなに近いのにややもすると非現実的で、これは超高解像度の巨大なスクリーンに映し出された映像なのではないか。と頼りなげな気分を生み、それはチバユウスケの細い身体を見るとさらに強まって、ただ一方でおさえきれぬ興奮。
 そして演奏が始まれば間違いなくその音はCDではなく、生。で、目の前にいるのかどうかはいたってどうでもよく、すばらしい[SPACIA]にやられる。

 内容自体は、まだツアー二箇所目、ということもあって、フェスではやらなかった[PINK PANTHER]や[黒いレイディー]なんかはまだまだ面白くなるはず、という感じ。[LOOSE MEN]のギターソロはCDよりもさらに荒ぶっていて、煽りも含めてサイコー!でしたが、やはり「I'M JUST A DOG」からの楽曲の、がちっと4人が噛み合っている音がたまらなくいとおしい。

住宅街のスナックなど
しかし、[さよなら最終兵器]はさすが、本編最後の演奏だったけれども、客のノリも完璧。もちろん演奏も完璧。ということでたいへん気持ちよくアンコールへ突入。からの、Red Eyeはうわさにたがわぬ色気で、やっぱり生はこういうのっしょー。と、フェスに行ってもなかなか味わえない即興感&緊張感を堪能しました。チバ対フジイという構図、ジャジーかつ攻撃的な色合いに、たまらない気持ちになる。
そして、ギターソロやベースソロの際、メンバーを指で示すチバユウスケのどうよ?という満足げな様子に、ああ、そりゃやべえよ、あったりめーだろ、これを聴きにきてるんだよオマエ(笑)。とはとても言えないので、歓声で返しました。いや、次会うのが武道館なんてね、遠いなあ。でも、熟成されてるんでしょう。あと2ヶ月半。

 MC。チバ「こだまっていいよね」(客)「イェーイ」 チバ「こmkd…、こ、こだまで来たんだけどさ(笑)」がハイライト。最初、こだま。が、こども。に聞こえて、つまり、「こだまで/きた」が「こども/できた」という、「ここではきものをぬいでください」的なトリックに引っかかり、言葉にならないおどろき。というのをとくと味わいました。2秒後すぐ気付きましたが。(キュウちゃん「こだまは途中でいっぱい抜かれるんだよね~」)
あとはアンコール1曲目かな?「まだやるもん」という、文字にするとすごい(笑)、せりふを投げかけたチバユウスケ(44)は、やっぱり愛されてるなあー、これ、まえだあっちゃん(21)が言ってみ?おんなじ誕生日なのにえらい違いだぜベイビー。



[SET LIST]※途中かなり怪しい。

01. SPACIA
02. LOVE SICK BABY LOVE SICK
03. ROKA 
04. Buddy
05. Riot Night Serenade
06. LOOSE MEN
07. 愛でぬりつぶせ
08. PINK PANTHER
09. SHINE
10. 爪痕
11.泥棒サンタ天国
12.YUYAKE
13.KICKING YOU
14.黒いレイディー
15.ゲリラ
16.涙がこぼれそう
17.BECAUSE
18.STORM
19.なぜか今日は
20.さよなら最終兵器

encore.
01.Red Eye
02.READY STEADY GO

encore 2
01.ローリン

 帰りの新幹線、ぜんぜん美味しくない駅弁を(びっくりするぐらい美味しくない。美味しくなさが突き抜けていて、思わず「やっべー、このタイミングでこれかよ。サイコー(笑)」と興奮してしまった)平らげながら、ライブの熱を噛み締めて、東京へと向かいました。願わくばもう一回、武道館の前にライブハウスで観たいですね。

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